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内海 隆行*; Koga, J. K.
Computer Physics Communications, 148(3), p.281 - 290, 2002/11
被引用回数:1 パーセンタイル:7.15(Computer Science, Interdisciplinary Applications)レーザーの固体やプラズマへの照射におけるプラズマの状態解析においては、大量・高精度な原子素過程データが必要であるために、現在、原子構造・衝突輻射断面積計算コードの開発を進めている。原子構造コードにおいては、Multiconfiguration Dirac-Fock(MCDF)方程式の解を高精度に求めることが重要な要件である。従来、2点境界値問題であるMCDF方程式の解法としては差分法による積分とシューティング法を組み合わせたものが用いられてきた。これは、適応範囲に制約があることが難点であった。このため、ここでは、Green関数によるMCDF方程式の求解という新しい高精度数値解法を提案する。この手法の特徴は、流体計算手法として開発されたCIP(Constrained Interpolation Profile)法により高精度Green関数を求める点にある。提案した数値解法を原子構造コードGRASP92に組み込み、良好な結果が得られ、本手法がコード開発のための基礎となる解法であることを確認した。
栗原 研一
Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.1049 - 1057, 2000/11
被引用回数:64 パーセンタイル:95.86(Nuclear Science & Technology)トカマク・プラズマの断面形状は、必要条件を満たす外部の電磁気センサだけから同定できることは以前に示した。これにより、ほかの方法は理論的な裏付けが弱かったり粗い近似で精度が悪いなど本質的問題を含むことが確認されたものの、先の必要条件を満たすようにセンサを製作・設置し直すことも既存の装置では難しい。そこで理想的な必要条件を満たしていない種類と数のセンサであっても、その状況で達成可能な限りの高精度で断面形状を再構築する方法の開発を実施した。この結果、マクスウェル方程式の解析解に現れるプラズマ中の仮想曲面上での境界条件として、磁束と磁場を独立に規定する「コーシー条件」を、電磁気信号から最小2乗法的に計算するという新方式を開発し、理論的裏付け、精度、安定性、実時間高速性、使用センサ種類のどの点でも優れていることを明らかにした。本発表はこれら一連の新方法開発の報告である。
鈴木 友雄; 桂木 学
Journal of Nuclear Science and Technology, 13(7), p.348 - 357, 1976/07
被引用回数:2原子炉内に配列された燃料集合体あるいは外套部集合体の内部において、核分裂による熱出力の詳細な空間分布を、従来より短い計算機使用時間で求める方法が導かれる。均質な組成をもち、任意の凸閉曲線で囲まれた、平面上の領域において、拡散方程式が1群で解かれる。原子炉全体を扱う3次元臨界計算で前以て得られている粗いメッシュ毎の中性子束を用いて、この閉曲線上での境界条件を非斉次な形で与えると、この問題は振動方程式の境界値問題、すなわちディリクレまたはノイマン問題に帰着される。従って境界上に一重層あるいは二重層の仮想的な源の分布をおき、それによるポテンシャルの形で、2次元領域内の中性子束分布の表現が得られる。この方法を高速炉の六角集合体の格子領域に応用し、従来の階差法で微細メッシュを用いて解く場合とを比較し、得られる詳細出力分布の精度は同程度であり、計算効率は50~100倍程度に向上することが示される。